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傷は抱えたままでいい 14

2015.12.26 23:45|傷は抱えたままでいい
13 ←前回

「…………っ!!?」

驚き過ぎて言葉も出ない。
椅子から転げ落ちそうになるのを必死にこらえるのに精いっぱいだった。

錯覚か、あるいは幽霊かと思ってしまいそうになるくらい唐突に、リコは教室にいた。
おそらく私が頭を抱えていたその間に、教室に戻ってきていたのだろう。
それにしても目の前に現れるまで気づかないなんて、私はどれだけ考えに耽っていたのか……


だが原因はそれだけではないようだった。

リコの表情はどこか虚ろで、荷物を鞄にしまう動作の一つひとつに生気がない。
長い黒髪と外の薄暗い雰囲気もあって、本当に超自然現象的な何かを思い起こさせてしまいそうだった。
あの時私を見ていた瞳も、昏く淀んでいた。

でも声をかけることができない。
気まずいからだけじゃない。リコのこの状態が、保健室で何かあったからだと察したからだ。


リコとルイの間にあった何か。
それなら私からは、何も言えない。何も言うことができない。
私にはフラフラと教室を出ていく彼女を、ただ見届けることしか――――




「お願い…………気をつけて……帰って……どうか」
あまりにもか細くて、聞き逃しそうになる声。
でもそれは、紛れもなくリコが発した言葉だった。

教室と廊下を隔てる扉を通るか否かのところで、背を向けたまま話すリコ。
そしてそのまま、彼女は帰っていってしまった。


「…………え?」

突然すぎて私の内側で起こる感情の変化についていけない。
驚き、怒り、喜び、恐怖、不安、疑問……

一つ言えることは、もはやプリントの内容など、頭に入らないということだけだった。


おそらく、今年最後の更新です。
このブログの中でも細やかながら色々変化はありましたが、全体としてステップアップができた一年だったと思います。

その中でもこのブログに訪れてくださる皆さんとの出会いは、かけがえのないものです。
このような拙いブログに足を運んでくださり、本当にありがとうございました。


『傷は抱えたままでいい』はいいところのようなそうでないような場面ですが、話的には割とまだ序盤です。
チサとルイが直接絡むのがここからで、以降物語がどんどん動いていきます。

相変わらずのスローペースですが、どうか今後も読んでいただけると幸いです。
では皆さん良いお年を!
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No title

うわ~、何があったのかしら?

す~っごく気になりますね。
確かにこれではプリントのことなんて頭に入らないですよね。

う~ん、年明けまでお預けですね(^-^;

楽しみにしています。

来年もよろしくお願いいたします。
良いお年を・・・

Re: No title

未公開さんへ>
コメントありがとうございます。

いつも読んでくださり、とても嬉しいです。
とくに感情の変化の描写は苦手で悩みながら書いているところなので、そこを褒めていただけてますますやる気が出てきました!

そちらもよいお年をお迎えくださいね。
来年もよろしくお願いします。

Re: No title

夏雪草さん>
コメントありがとうございます。

意図せずしての引きになってしまいました……w
チサは相変わらず振り回されてますね。

今のところ良いペースで書けているので、年明け後も同じペースで更新できそうです。
今年は本当に、大変お世話になりました。
来年もよろしくお願いします。
非公開コメント

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