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傷は抱えたままでいい 13

2015.12.24 21:43|傷は抱えたままでいい
12 ←前回

「じゃあ、今日も部長に……」
「うん……有希、ごめん」

私の方を気にしながら、有希と里穂は部活へと向かっていった。
二人を見送って、私はため息をついて机に並べられたプリントに目を落とした。
明らかに1、2時間で終わるとは思えない量。でもそれが自分のしたことの結果なのだから文句も言えない。


廊下で担任に見つかった私は、すぐさま教室へと連れ戻された。
そして授業を無断で休もうとした罰として、これだけの量の課題を今日中に提出するよう命じられたのだ。
教科書にかじりついて一問一問頭を抱えながら問題を解いていく。

その間ですらも、リコのことは私の心から離れなかった。
彼女の席の方に目をやる。
昨日の補習の時とは違って、そこには誰も座っていない。


リコは結局、あの後から教室には戻ってきていない。
北崎と一緒に出て行ってから、すでに数時間が経とうとしているのに。

担任は最初こそ彼女を気にかけていたが、事情を聞いてからは何事もなかったように授業を進めた。
授業が終わり、昼休みを挟み、帰りのホームルームになっても特に気にする様子もなかった。

北崎だけは担任が荷物を回収し、どうやらそのまま下校したようだった。
なのにリコの荷物は机に置きっぱなし。ということはまだこの学校のどこかにいるのだろう。


いや、いるとするならきっとあそこしかない。

保健室。
ルイと呼ばれる人物がいた保健室。


「…………」
鉛筆を握っていない左手で頭を抱える。
間違いなく、リコには保健室の前に私がいたと気付かれてしまった。

具合が悪くなって、なんて言い訳は通用しないだろう。
“私”が、“保健室の前に”いることが、もうそれだけで特別な意味を持ってしまうのだから。




――――私に関わらないで

再び、リコに言われた一言を思い出す。

私のしたことは、その言葉を無視した行為だ。
少なくとも彼女は、そう感じるだろう。


彼女からの、忠告にも似た言葉を反故にした私。
一体何がどうなるというのだろう……
途端に妙な不安に襲われ、不意に視線をプリントから辺りに移す。


そこには、ずっといなかったはずのリコがいた。

次回→ 14
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Comment

No title

おはようございます。

先日のコメントの続きです(^-^;

細かな描写に、ひとつひとつ場面が浮かんできます。
それと同時にこちらも覗いてはいけないものを見ているような・・・
そんな不思議な気持ちになりますね。

懐かしい学生時代を思い出したりもしています(^-^)

続きが楽しみです。

Re: No title

夏雪草さん>
前回のコメントと合わせて、いつも読んでくださりありがとうございます。

できるだけ丁寧にと思い書いてはいますが、そのために展開がダラダラしてしまわないか心配なところもありますね。
でもありがたい感想をいただけて、ますます励みになります。
これからも謎が増えたり、明らかになったり、辛い展開があったりもしていく予定です。
一話ごとの長さは短めでさっくり読めるよう意識していきますので、お時間があるときに無理なく読んでいただけたら嬉しいです。
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