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傷は抱えたままでいい 12

2015.12.19 22:02|傷は抱えたままでいい
11 ←前回

保健室は私の教室とはさほど離れていないので、すぐにたどり着いた。

あの時以来、あまり近づきたくなかった保健室。
ある意味では私とリコが初めて出会ったともいえる場所。
そこに直接入らず、閉まっているドアに耳を当てることにした。

それは不自然な行動で不審以外の何物でもない。
でもそうしなければ、きっと私の知りたいことにはたどり着けない。
鼓動が早く脈打つのを感じながら、できるだけ音を立てないように中の物音に集中した。


『後は少し眠れば、北崎さんは大丈夫よ』
『そう……』
『ありがとう。あの子を連れてきてくれて』
『…………』

聞こえた声は二人。
一人はリコのものだろう。そしてもう一人は聞きなれない声だが、少し大人びた口調に感じる。

『ねえ、ルイ。貴女には……私だけだよね?』
『……もちろんよ』
『そう……だよね』

霧子の声がどこかしおらしい。
普段の、そして昨日の彼女とは違う、まるですがるような口調。

『ルイ、私……』
『そんな顔しないで、……こっちに来て、霧子』
『…………ずるいよ、ルイ』


「…………き、りこ」
霧子、と呼んだ。彼女がルイと呼ぶもう一人の誰かが。
なのにリコは呼び方を訂正しない。私たちにしたように。

昨日、私にしたように。

――リコって呼んで
――みんな……そう呼んでるから

すぐにピンと来た。
今リコと話している、ルイと呼ばれる人があの時彼女とキスをしていた人物だと。
本名で呼ばれたくなかったのは、きっと特別な人にしかそれを許したくないから。


保健室、大人びた声、ルイ。
リコが、愛する人物。ルイ。


扉の向こうから聞こえるリコの涙声。

なんて、…………
…………………

胸の奥で何かが叫んでいる。

ここにいてはいけない、心の敏感なところが露わになる。
戻らなくては……苦しくなる前に、痛くなる前に。


「早川!! なにやってんだこんなところで!」

運がよかったのは、明らかに奇行でしかない盗み聞きの場面を見られなかったこと。
そしてそれ以上に運が悪かったのは、担任にはっきりと大きな声で、私の苗字を呼ばれてしまったことだった。

次回→ 13


「ルイ」が登場しました。この時点ではまだ声だけですが……
ルイが何者なのか、今後明らかになっていきます。

これでこの物語のメインである「チサ」「リコ」「ルイ」の3人が揃いました。
ここからさらに物語が動いていく予定なので、楽しみにしていてください!


とここで少しお知らせをば。

もしかしたらブログの移転をするかもしれません。
主な理由は「小説」と「趣味(音楽など)」でブログを分けたいからですが、どのようにするかは未定です。

一応年明け以降と考えているので、具体的に定まった際にはお伝えします。
引き続きよろしくお願いします。
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メリークリスマス

ブログ移行の件、了解いたしましたぁ。

お話しはすみません、まだ途中なんです。
今日はクリスマスのご挨拶で・・・

後ほど、ゆっくりコメントさせていただきますね。
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