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傷は抱えたままでいい 01

2015.11.07 19:55|傷は抱えたままでいい
一目ですぐに分かった。
これは見てはいけないものだ、と。




日が落ちかけた薄暗い夕暮れ時。
下校する生徒の数もすでにまばらで、夕闇に染まりつつある廊下は不気味なほどの静寂に包まれていた。

今は試験期間で部活はないけど、その部活だってとっくに終わっている時間。
私自身、普通はこんな時間に学校にはいない。
でも家に帰ることができなかった。とても単純な、あるいは間抜けな理由で。

……鍵を忘れたのだ。こともあろうに教室の自分の机の中に。

一つだけ褒めることがあるとすれば、忘れた場所と経緯をちゃんと覚えていたことだ。
『チサ、これあげるー!』
友だちの有希が休みに彼氏とテーマパークに行ったらしく、お土産に私が前から欲しいと言っていたキャラクターのキーホルダーを買ってきてくれた。


ちなみにチサというのは私のあだ名だ。早川千紗季(はやかわちさき)の名前の最初の二文字をとってチサ。


欲しかったものをもらえて嬉しかった私はすぐに家の鍵にそれを付けた。しかし、それを鞄に戻さずに、机の中に入れてしまったのだ。
後でもう一度見ようと思ったのかもしれないが、あまりに不用心なことだったと反省する。
果たして鍵はしっかりと机の奥で眠っていた。ひとまず安心して鍵を鞄の中に入れる。確かに。


さっきはまだ山の間から顔をのぞかせていた太陽も沈み、残光すら消えつつある。
安心と同時に薄気味悪さが芽生え始めてきた私は、すぐに学校を出ようと思った。

でも教室を出て階段へ向かう途中、人の気配を感じて足を止める。
その場所は私の教室から2つ離れた部屋、保健室だった。

次回→ 02


突発的に始まりました自作小説です。
ジャンルとしてはシリアス百合ですかね。

「百合って何?」という方は検索してください。


大事な掴みなのに導入にすら入れていないという……w
1話ごとの区切りが若干ぶつ切り感はありますが、不定期更新で話を進めていきたいと思います。
5、6話分たまったら「小説家になろう」サイトにも1つにまとめた上で更新する予定です。


本当に少しずつですが進めていく予定なのでどうか読んでいただければ嬉しいです。
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Comment

No title

こんばんは。
面白そうなお話しですね。
読み手として想像する部分もあって楽しめます。
そして続きがとても気になる・・・

次への興味を持たせて終わるところが、
憎いですねぇ(^-^)

おはようございます
続き楽しみです

Re: No title

夏雪草さん>
コメントありがとうございます。

小説を書くのはやや久しぶりなので、読みにくかったり説明不足になってしまったりすることが多々あるかもしれません。
塵も積もれば……の気持ちで少しずつ、でも確実に進めていきたいと思うので、これからも読んでいただけると嬉しいです。

Re: タイトルなし

ネリムさん>
コメントありがとうございます。

少しずつではありますが、頑張って最後まで書ききります。
これからも読んでほしいと思います。
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