スポンサーサイト

--.--.-- --:--|スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

傷は抱えたままでいい 06

2015.11.26 22:57|傷は抱えたままでいい
05 ←前回

「!? ひあ、な、……は、はい?」
突然のことに、私の声は完全に裏返っていた。
さっきまで頭の中を駆け巡っていたクラスメイト、その張本人の鈴森霧子が私に声を掛けてきたのだ。

クラスメイトである以上会話をすることはあり得ることであるが、彼女から話しかけられることは今までなかった。
それが今このタイミングで私に用がある……思い当たる節は一つしかない。


しかし、霧子は私に声を掛けたきり黙ってしまった。
周りを見回して、気まずそうな表情を浮かべる。

「……ここじゃ駄目ね。ついてきて」
見るとまだ教室に残っていた他の生徒が、一斉に私たちの方を見ていた。
私の声は裏返っただけじゃなく、思った以上の大きさだったらしい。

「…………ごめん」
霧子の姿を追いかけながら謝るが、彼女は何も言わずに進んでいく。
黒い髪を靡かせて毅然とした様子で歩く霧子とは対照的に、私の心は不安だらけだった。


向かった先は体育館の裏だった。
人が通ることは滅多になく、物語の中ではよく秘密の会話をするのに適した場所として挙げられる。
それは私の学校も例外ではなかった。

日が沈みかけている。
補習にたっぷりと時間を使ったため、もう部活の声も聞こえず辺りに人の気配はない。
あの時と同じ、薄暗い夕暮れ時だ。


霧子は立ち止まったきり、私の顔をじっと見て黙っていた。
誘ったのは彼女の方なのに、まるで私が話すのを待っているよう。

その切れ長の目は、奥に見える深い黒の瞳は、まさしくあの時私を見ていたものだ。
恐れるでも蔑むでもない、穏やかでありながらまっすぐに突き刺すような視線から、私は逃れることができない。

先に沈黙に耐えられなくなったのは私の方だった。

次回→ 07

続きを読む >>

スポンサーサイト

Sound of falling rain

2015.11.26 20:27|おすすめ音楽


アーティスト:Ryann


こんなに優しい楽曲があるなんて今まで知りませんでした。
相変わらずアーティストであるRyann氏がどういった人物なのかわかりませんが(スイスのジュネーブ出身?)、楽曲が存在している以上実在している方なので、変な言い方ですがそういった神秘さも惹かれるものがありますね。

タイトルの通り、雨の音がとても雰囲気出てます。
ピアノの旋律がとにかく美しいですね。ぜひ一度聞いてみてください。
| 2015.11 |
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -
プロフィール

×丸

Author:×丸
一歩ずつしっかりと。
無事1周年を迎えました。
2年目も頑張っていきます。

ブログの詳細はTOP最初の記事にて。
管理人の紹介は下記をクリックしてください。

×丸のプロフ

アクセスカウンター

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

ブログランキング

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ

検索フォーム

リンク

フリーエリア

RSSリンクの表示

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ページトップへ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。